8, 合成音階

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8-1, 合成音階


8-1-1, テトラコルド合成

4種の基本音階の異種のテトラコルドを組み合わせることによって合成音階をつくる。

 
表の凡例: /−Trが同形 [ ]−4連音 ()−既習の音階と同形
下行音階上行音階
都(陰)律(陽)民(陽)琉(陰)
下行音階都(陰)/都律(都民)都琉
律(陽)(律都)/(律民)(律琉)
上行音階民(陽)[民都][民律]/民琉
琉(陰)[琉都][琉律](琉民)/

テトラコルドが同じもの、例えば民民などは当然民になるから除外される。

上行音階trTと下行音階trXを繋げると、2度で4つ連なる音ができる。
これは避けなければならない。
従って使用できる音階は次の8種。



8-1-2, 分類

以上、8種の中で、

○律琉は琉下と同じ。
○律民は律上、民下と同じ。
○都民は都上と同じ。

合成音階として扱うのは次の5種。

都律、都流、律都、民流、琉民

これらはTかX、どちらか片方のtrが陰化または陽化したと考えることができる。

その中で、

○T律都はX都上の4度音を主音にしたものと同じ。
○T琉民はW琉下の5度音を主音にしたものと同じ。

したがって、特に重要なものは次の3種。


合成音階の特性

合成音階の共通音

合成音階の対称性

都律と民琉とは、上下が対称になる。

都琉は、自分自身と上下が対称になる。

合成音階の特性の比較




5音調と9音調

合成音階の階名

都律音階は西洋音階では和声的長音階に対応する。
従って主音を「ソ」とする。つまり、律と同じ。

民琉音階は西洋音階では和声的短音階に対応する。
従って主音を「ラ」とする。つまり、民と同じ。

都琉音階は西洋音階に対応しない。
ラーガ(北インドのラーガバイラブなど)には対応する。
理論的には主音は「レ」と考えられる(理由は後述する)が、
便宜的に都上と同じ呼び方にする。つまり、主音を「ミ」とする。

まとめると、階名としては
都律は律の、民琉は民の、都琉は都のそれぞれ変位したものと考えることもできる。


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