6, 導和音の追加

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6-1, コンジャンクション型の導和音

6-1-1, コンジャンクション型

「基本音階」(1-1)で、テトラコルドについて説明した。
これはtrがディスジャンクション型になっているもの。
伝統曲にはこれ以外に少数ではあるが、コンジャンクション型がある。
本書ではこれを詳しくは扱わないが、伝統曲の編曲などのため、
特に導和音について項目を設ける。


コンジャンクション型では核音の集合である主和音アの中音に主音がこない。
また、中間音を2つ持つ本来ならば導和音と思われる和音ウには核2音ではなく
核1、つまり主音が含まれる。 イ、ウについては副主和音、副導和音といった性格にしかならない。


和音名の記述法については本来、
律上和音の上音の4(度)を
民下和音の下音の4(度)を
斜線で消すべきだが、煩雑をさけてこのように記す。

6-1-2, 導和音の構成

ここで、従来の和音構成をコンジャンクション型音階の導和音に当てはめる。つまり、
2つの中間音+核2音
という構成にする。


これらは省略和音となる。
この形の和音は音程関係から34導和音と呼ぶ。

和音名の記述法については本来、
律上、34導和音の上音の4(度)と下の7(度)を
民下、34導和音の下音の4(度)と上の7(度)を
斜線で消すべきだが、煩雑をさけてこのように記す。

次に配置例を示す。


6-1-3, 声部進行

主和音への進行


この導和音進行では導2が核2の圧力によって主音に進むということはない。
この進行の特殊な面は、(異向形)導音が核2と3度を作ることで、
導音はその圧力によって主音へ進む。
4度和音の世界では3度が不協和音程であることを念のため書き加える。

これらの異導和音は本来の、つまり基本形音階の導音を持たないため、
主和音とこの形の異導和音だけで全音階音を表すことはできない。



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