4, 転調(1)

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4-3, 4度、5度調の転調

直截的に4度、5度調に転調する方法もあるが、
ここでは共通和音を使った転調を示す。

4-3-1, 陽音階の4度、5度調

伝統曲でもやはり4度、5度調への転調が多い。

音階の面では

ラ民→
ソ律→
4度→レ民
ド律
ミ→短2度上がる→ファ=新しい調のド
ラ民→
ソ律→
5度→ミ民
レ律
ド→短2度上がる→シ=新しい調のミ
のように変化する。

ただし、
民の場合5度調は民下と同音
律の場合4度調は律上と同音
となる。
実際、これらはほとんど判別できない。

和音進行を含む

共通和音が多いためこの転調はやりやすい。

核2、核3調と考えると和音進行が共通し、整理しやすい。

核2調上行音階4度調
下行音階5度調
核3調上行音階5度調
下行音階4度調

a, 核2調転調

T民:W=W民:T
T律:X=X律:T
と解釈する。


b, 核3調転調

T民:T=X民:W
T律:T=W律:X
と解釈する。




4-3-2, 陰音階の4度、5度調



伝統曲では都節の場合、やはり4度、5度調への転調は多い。
しかし、琉球音階では転調自体みかけることは少ない。

音階の面では

ミ都上→
ド琉→
4度→ラ都
ファ琉下
シ→増1度下がる→シ♭=新しい調のファ
ミ都→
ド琉下→
5度→シ都上
ソ琉
ファ→増1度上がる→ファ♯=新しい調のシ
のように変化する。

この場合異向形が含まれるので注意を要する。

和音進行を含む

共通和音は少ない。ここでは異向形の和音を使う。

a, 核2調転調

T都:T=X都:上W
T琉:T=W琉:下X
と解釈する。


b, 核3調転調

T都:上W=W都:T
T琉:下X=X琉:T
と解釈する。


4-3-3, 楽器

邦楽器の場合、弾き分けられる複数の音階の関係が限定される。
音列支配の関係では三味線などの楽器が扱いやすい。
三味線は隣り合う糸が4度または5度で調律されることが多く、
それを核音に合わせることで、開放弦が弾け、中間音はツボで調節できる。



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